経験に基づくパッシブデザインは”勘”なのか

設計の世界では「経験に基づく判断」という言葉が、あまり良い意味で使われないことがあります。パッシブデザインや省エネといった性能面においては特にそういった傾向があります。

それは数値で説明できないものは、根拠が曖昧だと受け取られてしまうからです。でも、経験に基づく判断はそんなに不確かなものなのでしょうか。

パッシブデザインにおいて、長年の設計経験から「この条件ならこうなるだろう」という感覚的な判断が語られることがあります。しかしそれは単なる”勘”というよりも、過去の観察や試行錯誤の蓄積なのではないかと私は考えています。

一方で土地勘や実際の使い勝手も含めた判断は、単純な数値モデルだけでは捉えきれないこともあります。設計者はそうした条件を踏まえた過去の経験から、一定の傾向を読み取って反映するようになります。

そしてそれは決して無意味なものだとは思いません。むしろ、その経験を整理した上で、数値や検討プロセスと結びつけて言語化・数値化できれば、さらに強力な武器になる可能性を秘めているのかもしれません。

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